赤ちゃんになりたいわけじゃないけど

先日、息子(8)を歯医者に連れて行きました。虫歯治療の最後の仕上げ、銀歯をはめる段階です。担当してくれた先生は女性。保育士さんのように子どもと接するのが大好き!という感じではなく、比較的クールな雰囲気。そりゃそうです。保育士さんじゃなくて歯医者さんですから。それでも子ども相手なのでとても優しいのです。
「治療後痛くなかった?」「うん」
「はみ出た接着剤を削るね」コクリ
「カチカチしてみて。変な感じしない?」「大丈夫」
と、こんな感じのやりとりでした。自分は隣の保護者席からそのやりとりを見ているわけですが、なんとも言えない感情が湧いてくる感じがしました。なんだろう、この感情は。心のどこかが反応しているけど、どこかわからない。心の全体がじんわりと暖かくなるような…。
と、思い出しました。自分も子どもの頃、病院や歯医者さんにいくと、こうして優しくしてもらったはずです。その時に感じた、大いなる優しさに身を任せて安心しきる感じ?それを息子を通して擬似体験してたんですね、たぶん。その大いなる優しさに包まれた息子は安心しきっておりました。絵にするとこんな感じ。

どうですか?すごいでしょう。まるで赤ちゃんです。その時自分は、昔開催されたタナカカツキさんの個展のことを思い出しました。確か『赤ちゃん』がテーマの展示でした。実際にはその会場に行けてないのですが、ご自身のポッドキャスト(デジオナイト)にてご本人が解説されていた言葉が記憶に残っています。話題の一例として完璧に覚えてないことを持ち出すのはどうか?とも思いましたが、自分の記憶は常に曖昧で不安定なので、どうかご容赦ください。
「赤ちゃんて最高やん?周りが全部やってくれるやん?ご飯もトイレも着替えも、全部。最高」その感覚に戻りたくて『赤ちゃん』というテーマにした、というニュアンスのことを言われてました。会場の天井からものすごい大きなお母さんのオブジェを吊るし、「お母さんから世話をされている」感覚になれるという作品などもあるようでした。すごい、面白そう。
「自分は赤ちゃんに戻りたいだろうか?」と、真剣に赤ちゃんになった気持ちを想像してみましたが、自分にはない感覚でした(笑)。自分でやりたいです。ご飯を食べるのも、トイレも、着替えも、なんでも。映画やドラマで王様とか殿様をお付きの者たちが着替えさせる、なんてシーンがありますが、遠慮願いたいです。自分でやりたいです。もしかしたら深層心理ではそういう願望があるけども、何十年も築き上げてきたプライドが強固がゆえに、その願望に気づかないだけ?かもしれませんが…。
それでも、赤ちゃんうんぬんは置いておいて「大いなる優しさに包まれたい」という記憶が遥か昔から蘇ったわけです。大人になった今、親になった今、自分はもうそれを与える側になったのだなぁーとほんの少しだけ寂しくなりました。
Tokyo Creative Salon 2025

毎年3月に東京で開催されるクリエイティブの祭典、Tokyo Creative Salon 2025にスタンプで参加しています。
自分の担当は有楽町エリアの”UpCycle CANVAS”という企画。衣服を再利用したオリジナルタグにスタンプを重ねていくと、あなただけの作品が生まれます。有楽町ルミネ、阪急メンズ 東京、有楽町マルイ、それぞれに1台スタンプ台が設置してあり、3種類集めることができますよ。
また、この企画のために描いた下書きを1名の方にプレゼントする企画もありますので、ぜひ店頭でチェックしてみてください!実はこの下書き、最初は(別の)コピー紙に描いたのですが「せっかくだから厚紙に貼ろう」とノリを塗ったところ盛大に失敗しまして(笑)。最初から鉛筆で書き直しております。なので厳密には下書きではありません。
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