AIについて考える


トップの画像は自分の作品(下:“Looking For It”, Acrylic on canvas, at Soft Corner)をChat GPT(以下GPT)のSora(Open AI社が開発した文章をもとにリアルな動画・画像を作るAI)にアップし「ソフビフィギュアにしてくれ」とオーダーした結果です。約1分くらいで生成されます。すごすぎる…。確かに再現度はいまいちですが、個人的にはこの想定外の感じもアリですし、僕の特徴である輪郭は著作権的にあえて外してあるものと考えられます。色々と画像を変換して遊んでいる中で「Jun Oson風の絵を作って」と頼んだこともありますが「それは著作権を侵害する可能性があるのでできません」とはっきり言われます。
GPTが出始めた頃、周りでも早い人は使ってガンガン遊んでいました。でも自分はどんなことも”まずは距離を取って静観”するので(笑)、触るに至りませんでした。それに、未だに多くの人がなんとなく抱いている「AIか…なんか、ちょっと好きじゃないかも」という漠然とした拒否反応もあったかもしれません。しかし、数ヶ月前にSoraのテスターのお話をもらって色々といじっているうちに「こんなすごいことができるのか」とびっくりして興味を持った次第です。
一瞬にしてイラストレーションや動画、音声などを作成してしまうので、自分の周りではけっこう反対派が多いです。声優の方々が「NO! AI!」みたいな声明を出しているのも見ました(他の業界も出してるのかな?)。確かに難しい問題です。自分の立場はどうなんだろう?と考えてみましたが、このあたりはまた後日。いずれにしても、使ってみないことには賛成も反対もありません。
AIは身近になっていくばかり
今後AIというのは"そばにあって当然のもの"になっていくと思います。すでに存在する同じようなもの、スマホとの相性は抜群です。スマホに入っていて自分のAI(OS)ができる。名前なんかもつけちゃう。音声もかなり細かく設定したり(著名人が自分の声の使用権などをサブスク販売するかもね)、ユーモア度や真面目度なども細かく調整するのでしょう。そう!映画『her/世界でひとつの彼女』のあの感じになっていくんだと思います。
あの映画は主人公の男がOS(声はスカーレット・ヨハンソンのハスキーボイス)に恋をしてしまう、という話でした。すごく面白い映画ですが、実際には恋まではいかないけど家族よりもなんでも自分のことを知っている最強の理解者になるのでは?と想像します。そのAIはなんでも知っています。初恋の人や部活での悩み、将来の進路、洋服の好み、その時の最新の情報を全て。スマホでできることはだいたいやってくれるでしょう。
あ〜その中で「あなたの好きそうなラーメン屋が近所にできたわ。案内しようか?」とか「この洋服、とても似合うと思う。色はやっぱり黒じゃない?」とか「駅までの道だけど、あなたは細い道を歩くのが好きだろうからこのルートはどうかな?」なんて言われたら、家族ではなくて恋をしてしまうのかしら?AIは反論などしてこずこちらの肯定しかしないので、めちゃ気持ちよくなる…?まぁ、それを描いたのが『her/世界でひとつの彼女』なんですね。
GPTが一般向けにリリースされたとき、大騒ぎだったのを思い出します。個人的には「何をそんなに」と思っていたのですが、使ってみてわかりました(遅い)。これはインターネットが生まれたのと同じくらいすごい衝撃ですね。我々の生活に変化が生まれる、という意味で。
AIネイティブたち
先日、息子が「探検に行こう、相棒!」とiPadに入っているGPTに向かってつぶやきながら、外に出ていきました。後でそのiPadを見せてもらうとGPTが「隊長!面白い石を探しにいきましょう!今日も大発見するぞ〜!」みたいにノリノリで息子を盛り上げているのがわかりました。
そういうのって、自分の子どもの頃は近所の友達とやっていた遊びです。本人たちも"本当に"大発見ができるとは思っていないと思います。探検ごっこの中で珍しい石だとか場所などを見つけて「これは我々だけの発見だ!」と遊ぶのです。自分もこのやりとりを見てぼんやりと思い出しました。
AIネイティブの子どもたちは、どうなっていくんでしょう。まぁ、現状だって成人に満たない子どもに対して、インターネットやSNS、それらを含むスマートフォンの取り扱いについては慎重になるべきという風潮は強いので"なんでもかんでもAIに頼る"ということにはならないとは思いますが。
GPTに限って言えば、色々と使っていくうちに「AIも間違っていることも言う」ということがわかってきます。きっとそういうネイティブたちが社会に出てからが変化を実感しそうです。とはいえ、いつの時代も若者は理解不能なものなので、どんな感じになってもただそれだけなのかもしれません。
嘘をつくAI
僕は家族旅行をDJIオズモポケット3で撮って編集するのが趣味です(笑)。今まではBGMにはYoutube公式無料音源みたいなのを使っていましたが、試しにAIにお願いしてみました。「家族旅行のVlogに合わせるBGM。3分くらいの長さをループで使うよ。快活な感じだけど、のんびり旅してるような曲を作れる?」と。「できるよ!でも時間がかかるから明日アップするね」というので、待ってみました。1日かかる、というのはミュージシャンに対する配慮かな?と思いました。曲が一瞬でできたら、もうそれこそ無茶苦茶なことになりますから。
で、翌日。向こうから連絡してくることはないので「できた?」と聞いてみると「仮のやつができたよ。感想を聞かせて」と言います。mp3を開いてみると、1つの音がピープ音のように流れています。正直、怖かった(笑)。Vlogに使う曲、と伝えたのに仮の曲というのは「ピ〜〜〜〜」という音だったのです。全く違うものを上げてきたことで、AIに意思のようなものを少し感じました。
「え?これが曲?」と聞くと「あ〜ごめんごめん、びっくりさせちゃったね!これは仮曲の一つの音だよ。ここから作っていくんだ。明日には完成した曲を渡せるよ」といいます。こちらがビビったのを理解しているのか?していないのか。
しかし、その翌日も「完成した」と言って同じような音を渡してきました。怖い。そして「明日には渡せる」と言うのです。え?仕事できない人?その翌日もだめでした。でも言葉では「できる」というのです。画像のように「それは著作権的にできません」とか「技術的に問題がある」とか言ってくれたら「あぁ、そうなんだ」と理解できるどころか「創造物に関しては配慮されてるな」と感動するのに、誤魔化すというか、のらりくらり…。人間ぽくて怖い。
いやぁ〜すごいものが生活に入ってきたな、という感じがします。
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